⑦ヤクザはヤバいよ～ロックオン～
⑦ヤクザはヤバいよ～ロックオン～
「あ」
この瞬間の私とエリカの状況を想像して欲しい。狭いトイレでバックでずんどこしているのである。そんなＡＶみたいな状況下の中、彼氏のトドさんが乱入し、と目と目で通じ合ったのだ。お互いを理解するのに言葉はいらない。なんてこった。あいたー。
バレ方に問題があるとは言え、かなりのバレ方ではないかと我ながら感心する。
だいたい、エリカさま改めエロス様が大声を上げるものだからバレて当たり前だ。もう少し大人しくしてくれれば完全勝利も目前だったのに（と思う）。
エリカ不在＋私も不在＋トイレからＡＶ生放送＝気づかないバカはいない。異変に気付いたトドさん（ヤ〇ザ）がトイレの鍵をぶっ壊してトイレに乱入してきたのである。小国同士の小さな戦争に巨大な大国が宣戦布告。圧倒的武力を持って戦争の制圧に参戦してきた。もちろん完全に「殺る気」だ。
まずは状況把握。私のＩＣＢＭが見事に目標物に突き刺さっているのを目視で確認すると私とエリカを引っぺがし、エリカの髪をつかんでトイレから引きずり出す。なんて力（パワー）だ。しかし女性を扱うに力任せはいけない。もっと紳士的なやり方があるだろうに。だいたい普段からトドさんは酔うと力任せに行動する最低のタイプで酒飲みとしてのマナーくそもあったもんじゃない。酔って楽しいのはいい。ただ、暴力的になるタイプは大抵の場合は嫌われるって事をその歳（50歳）になってもわからないとはいかがなものか。
などと言ってる場合じゃない。相手はヤ〇ザだ。それどころじゃないぞ私。もちろん次に私をロックオン。するどい眼光が私の行き場のないＩＣＢＭを完全にレーダー補足。
「レッドアラート」（完全にロックされた。ヤバい！）
私の脳が回避行動を指示する。勝負は一瞬だ。私の防衛本能は「おティンティンを格納庫にしまう」事を最優先と判断した。おかまちゃんは嫌だ。ロックオンから間髪入れずにトドさんのパトリオットミサイル（右手）が私のＩＣＢＭに目がけて飛んでくる！（ヤバい！）チャックが先か撃墜されるが先か！？（おかまちゃんは嫌だ！）体をよじりながらパトリオットをかわしたと同時に膝下まで降ろしたズボンをズリ上げ、ＩＣＢＭをガードしながら無事にチャック内に格納に成功。酔ってるとは言え、我ながら素晴らしい反応だ。なんとかＩＣＢＭは一旦、戦いの最前線からの撤退に成功した。
ならば次は肉弾戦だ。トドさんは私の髪をつかみ、そのまま便器へＧＯ。
「がん！がん！がん！」という衝撃は覚えている。便器に私の顔を叩きつける。その衝撃で私は完全に戦意喪失。私はトドさんという大国の捕虜となってしまったのだ。捕虜には拷問が待ち構えている。まずは水責めだ。便器に顔をうずめたままレバーオン。「ジャーー」「おぼぼおぼぼぼぼおぼぼぼぼぼ」しっかり小用ではなく大便用の水量で私を責める。大量の便器の水を飲まされ、意識が遠のいた瞬間トイレから引きずり出される。狭いトイレから出された事で体は自由だ。戦える、戦えるぞ・・・・！
（ヤバい、このままじゃマジでヤられる）
勝てると思った。相手は50過ぎのおっさんだ。いつもフラフラで帰っていくじゃないか。こちとら柔道経験者だ。（高校体育の授業で習った）得意技は足技からの「体落とし」と「内股」だ。この際、どさくさに紛れて相手をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、投げてはちぎり、寝技に持ち込んで相手を絞め落としてそのすきにすたこらサッサと逃げてしまえばいいじゃないか。それくらいはきっとできるハズだ。（高校体育の授業で習ったし）こちとら身長185センチ８０キロだ。柔道どころか筋トレなど全くしてない上、高校卒業して１０数年は経過し、酒とタバコの日々にうつつを抜かしているが、未だにＮＨＫの柔道大会の中継は見るし、普段からああくればこう返すというイメトレだけは欠かしていない。でも・・・相手はヤ〇ザだ。そして完全に悪いのはこっち。家族、いわゆる妻や親族に迷惑が掛かる可能性もある。その蛇のような嫌がらせ、しつこさは高校一年の時に実体験として経験した事があるのだ・・・。（いつか書くかも）それ以来、ヤ〇ザはヤバいと体にインプットしたのに、したハズなのに！「ヤ〇ザのオンナで沢尻エリカと佐々木希を足した２２歳のぴちぴちでぱつぱつのＨ好きで清楚な女の子に告白された結果やっぱり我慢できなくてＩＣＢＭを週２日以上発射しました。サイコー」なんて妻に言えるか！（1.2秒）
結果、私の選択肢は土下座しかなかったのである。
続く
