売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第6話:千里の道もボブ子から~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

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⑥社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第6話:千里の道もボブ子から~

業者への発注権限を持つクライアントの女王、そしてその女王に取り巻く、部下の女(26歳)、名前を「ボブ子」とする。細身でスレンダー。モデル体型な上、真っ黒なショートヘアーでボブヘアーが似合う女の子。ただ残念ながらお世辞でも可愛いとは言えない子だったけど時折見せる笑顔とやわらかい雰囲気は抜群だった。すぐに女王に告げ口しちゃう危険な存在だけど。

勝算

私はボブ子(26歳)と仕事が絡む事が多かった。しかも難しい案件ばかり。お互い助け合う事も時として必要で、発注者と受注者という明確な上下関係の立場ながら奇妙な連帯感が生まれていた。(あ、コイツ落とせるな)と思ったのはボブ子がとんでもない発注ミスを犯し、私が設計者や工場長を口説いて誰にもバレないように秘密裏に処理した事があった時。女王にもバレたくないヒミツ。つまり二人は「共通のヒミツ」を持った。「貸し」を作ったつもりだったが、そんなことよりも女性はそんな男に弱いのだ。私はボブ子の窮地を救った王子様だ。頼りがいがあると思われたらもうこっちのものだ。

「ボブ子は多分私にホレている」

それが私の勝算だった。ボブ子経由で女王の情報を取ってやろう。千里の道もボブ子から。全ては恩師である課長の為だ。私は仕事の為にボブ子を「落とす」ことにした。ここまで言うと冷徹非道なクソ野郎としか思われないかもしれないけど、実は私も楽しかったのだ。決して可愛くないけど、日々徹夜が続く激務の中で、彼女との仕事は立場は違えど私が気持ち的に優位に立てる事もあり、またそれに対して嫌な顔をひとつせず、こちらの要求を飲んでくれるボブ子がだんだん愛おしくなってきたのも事実だった。

昼間の商談はだいたいこんな感じ。

「ボブ子さん、この件ですが・・・」

「ああ、もう少し安く出来ますよね。高いです。」

それが夜はこうなる。

「ボブ子、昼間のアレ、なんだ?」

「ごめんなさい~。女王様が見てたし」(*^.^*)テヘッ

「あの金額で通せよ?」

「大丈夫、任せといて」(^_-)-☆

 私は危険な女王の取り巻きボブ子を手中にしていた。やっぱり男は頑張って仕事してたらいい事あるんだよ。

「そういやあのA社(ライバル会社)の見積りは?」

「5,000万ジャストだったよ。下回れる?」

「4,900万だったら勝てるよな?」

「女王様に勧めとくよ」(^_-)-☆

キュインキュイン~、確率変動に入った。完全に。連チャンモードだ。千里の道もボブ子から。こうして私はライバルA社との競争見積り合戦にことごとく勝ち続け、仕事をぶん回して行った。

そして、すでにお分かりとは思うが、ボブ子は完全に落としていた。男性経験のないボブ子はすでに私の虜となり、夜はどんな要求でも受け入れる。つまり私はすでにパンツは脱いでいたのだが、正直こんなのはどうでもいい。自慢するほどの事じゃない。

問題は「年2回」のコンペだ。・・・これは女王様を「なんとか」しないといけない。

つづく

 

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