売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第27話:緊急事態~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第27話:緊急事態発生~

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「1930、P、G、Hでいいですか?」

「いや、Pナシで行きましょう」

メモ紙・・・スッ

(早くしたい)

ノリピーの会社の商談ブースで相変わらずの暗号文を使いながら筆談だ。19時30分集合、パチンコ、ごはん、ホテルの略だ。Hはエッチかホテルか未だに謎のままだけど結局ヤルからそこはいいとして、ついにノリピーもメモ紙に「早くHがしたい」などと書いて私に渡すようになって来た。まだティンコ営業1ヵ月そこらと言うのにいい仕上がり具合だ。ノリピーはダイヤの原石、素質のかたまり、とても将来性大だ。つまり我々は商談中の真昼間からホテルへ行ってHをする段取りを決めているのだ、我々はアホだ、だがそれがいい。つまらない仕事もワクワクするってもんだし、これだけ携帯やスマホが氾濫している時代に筆談だなんて古典的な方法が妙に興奮した。それに我々は期間限定の恋人同士だ。絶対にバレちゃいけない関係だから携帯やスマホなどで記録を残してはいけないし、メモ紙も最新の注意を払って即シュレッダー。個人情報の問題が大きく取沙汰された時期でもあり、シュレッダーもオフィスに急速に配備が拡大したので大助かりだった。個人情報保護法案、ステキだ。

自問自答した。これはティンコ営業?それとも恋?いや、これはまさにティンコ営業だと思った。私は恋する鬼畜・カスヤロウ。散々ノリピーを性的に満足させたあとのピロートークから大量にライバルA社の情報を聞き取り、さらには社長の人物像や幹部の連中、そして発注件を持つ部長クラスの情報もしっかり得る。ノリピーも根がカスだから面白がってどんどん情報をくれる。きっとノリピーはアゲマンなのだろう。おかげさまでノリピーの上司で発注権を持つ部長クラスまで辿り付き、仕事の依頼が増え始めた。そして私もついにお客様専用の1階商談ブースからジャンプアップ。一気に社長が居座る最上階のフロアまで辿り着く。社長を目の前にしてのプレゼンなども行えるようになり、ライバルA社の案件を少しずつ横取りし始め、数字もうなぎ登りに上って行った。当初の予定より少しだけ早めの快進撃だ。ノリピーが想像以上にカスな性格とおティンティン営業のたまものだ。ノリピーは相変わらずマグロだがけっこう満足しているようだし、今までの事例と違って相思相愛なのだ。6カ月限定と決めた戦略だからこそ心とカラダを目いっぱいフル活用してノリピーに注げば貴重な情報が手に入る。私はそれで数字を挙げるし、ノリピーとしては気持ちよいのだからお互い様だ。

 

そんな時に緊急事態発生。

夜のバイト先のボブ子がまさかの戦線離脱。

「もう来ない」と言い出したのだ。週に2日ペースで現れては仕事をくれていたボブ子。

 

ついに資金源が絶たれた・・・・!

 

シリアスに続く