売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第49話:プロ根性。(続:告白する事にした件)~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第49話:プロ根性~

(続:告白する事にした件)

f:id:manmai:20170513215745j:plain

数年ぶりに会い、私としてもヤリ残したヤマだった巨乳ちゃんと待望の一戦を交えた後、満足感に満ち溢れた私はトイレに行き、渇いたのどちんこを潤すべく、さっきまで鍋を食べていたリビングへ向かう。いくらリバースを繰り返したとは言え、かなり酒は飲んだし、のどちんこが胃液で痛かったのもある。

「あら、起きてたの?」

(げっ!)

「一杯付き合わない?」

薄暗いリビングのソファーに社長の奥さんがいた・・・。

(・・・バレたかな?)

私はもちろん、巨乳ちゃんも声を出さずに頑張っていたけれども、どうしても盛り上がる後半はいくら丁寧に行為しても多少の揺れなどは起こるものだ。

「あ、いただきま~す^^」

こうなりゃ付き合おう。確かに奥様はあまり飲んでなかったんだよな~。それに大口の契約内容を「サインすればいいじゃない」と社長であるご主人様を勝手にクロージングしてくれた張本人だ。大事なキーマンなのだ、付き合わないワケにはいかない。

 クロージングに関しては「沈黙のクロージング」という手法がある。相手が夫婦だったりした場合は特に効果的で、サインを躊躇したり、悩んだりしている時に強引に決定を促してはいけない。つまりこちらは一切しゃべらないのである。人間は沈黙に耐えれる生き物ではないし、会話が止まると場の雰囲気を打破すべく相手が勝手にしゃべりだすのである。そうなるとこちらのペースにハマって行くが、根負けしてこちらからしゃべると負けなのだ。相手が独身で1対1で、沈黙に耐えれるほどのツワモノならばその場はまさにガチンコファイトクラブ、つまり永遠かと思えるほど無言が続くこの世の地獄であるが、相手がカップルだったり夫婦だったりすると、二人で勝手にこのプランはあーだ、満期の時にこーだと話し出すのだ。そうなると勝手に契約まで落ちていく事が多い。私はこういった心理戦がとても大好きで、散々しゃべり倒した後、決定を促す時にピタっと会話を止めてあとは相手が勝手に落ちていく「沈黙のクロージング」をよく使っていた。

 薄暗いリビングのソファーに腰かける社長夫人の隣に私も座り、奥様と一杯だけ飲む事になった。「もしかしたら保険の追加契約があるかもしれない」ととっさに思った私は勝負に出る。二人の距離感ゼロ攻撃を仕掛けたのだ。ギリギリまで奥様よりに座る、もちろん無言。沈黙の接近だ。とはいえ、実はソファーで近寄るのは難しい。安い家具屋などで売ってるラブソファーと違い、間違いなく高級なソファーで4人掛けくらいのサイズだったが対応人数がキッチリ座れるようにお尻単位で仕切りがしてある。高級ソファーに負けてたまるかと、カラダが触れ合うかどうかの瀬戸際まで近寄ったのだ。

「・・・」

「最近どうなの?」

「おかげさまで順調です^^」

実はけっこう厳しかったし、保険屋に順調な時などない。いつでも虎視眈々と契約を狙っているものなのだ。そして保険の話をいつ何時切り出せる勇気があるか。そうそれは勇気なのだ。

「あ、もしかして追加(契約)とか?w」

「そうねえ、ちょっとは考えてるけど・・・」

チャンスだ。これぞまさに私が作り出した流れなのだ。

「佳代子さん、僕はうれしいっす」

そう言って、酔ったフリをしつつ奥様にもたれ掛かった。

この奥様は佳代子さんと言う。私は女性の名前は特別な事情がない限り、苗字などではなく、名前で呼ぶようにしていた。女性は下の名前で呼ばれるとうれしいものだ。前職時代の過去の話だが、怖くて有名で強烈なオンナ社長さんの事を初対面でいきなり名前で呼び、周囲の人間が青ざめるほどの空気の中で一気にそのオンナ社長さんとの距離を縮め、発注物件を総なめにした経験があったからだ。

佳代子さんは年齢の割には若く見え、ストライクゾーンぎりぎりの年齢ではあったが、薄暗い雰囲気も手伝って大変魅力的に見える。

「佳代子さん、ステキですよねえ・・・。」

もう知らね、俺、知らね。行くとこまで行け。幸いにして佳代子さんは美人だし、目の前に「契約」が転がっている気配もある。そして沈黙のクロージングだ。向こうからの動きを待つんだ・・・。そうこうしていると佳代子さんの唇がジワジワと迫ってきた。

(来るか・・?)

「あ、ご主人は?」

「いびきかいて寝てるわ、よ、・・ん」

「・・・ん」

(落ちた!)

キスしてしまった。いや、されたのか?俺、知らね、もう知らね。酔った俺は多分俺じゃない。今度は私のターンだ、王道の首筋から攻めていき、酒で熱くなった佳代子さんの吐息を感じながら各種スキンシップA~Zを試みるも、もちろん抵抗など全くなく、いつの間にか佳代子さんのターンだ、逆に私はいつの間にかパンツを降ろされていた。たださすがにいくら私と言えど、リビングのソファーの上で最後まで一戦交えるほどの度胸はなく、ある程度立ちバックなども駆使しながら佳代子さんは久々と言っていたが、十分に堪能していただいた。私のおティンティンを。

これは官能小説ではないし、私にそんな文才はないので割愛させていただくが、人生で最初で最後と思うけど、人妻は私の不徳の致すところです。スミマセンでした。そして一晩で2回も脱いでしまった上、この鍋パーティは後日の巨乳ちゃんの契約とお友達や彼氏さんなどの紹介案件も含めた結果、法人契約まで決まるという、とてつもない数字を生み出したバケモノ鍋パーティとなった。

まあ、何が言いたいかというと、以前、蛇の生殺しに会った記憶しかないほど未練があった巨乳ちゃんとの再会を即座に思いついた綿密な計画の元、胃液をリバースしながら忠実に実行した結果、念願の巨乳を堪能できたわけでまさに努力の結晶だという事だ。さらにそれに満足する事なくアポイントをねじ込んだおかげで、契約どころかさらに粘って粘って紹介まで出してもらい、全てをものにしたという事。紹介をもらうってのは本当に難しいのだ。保険の話って嫌われるからね。かたや偶然にも佳代子さんと台所というかリビングでばったりと遭遇し、保険の話ができるシチュエーションを作り出し、「追加契約をねじ込んでやる」と強固な思いで行動した結果、一撃必殺の法人契約までゲットしたという事。これぞバカでとりえのない人間が人生を掛けて転職した業界で見せたプロ根性なのだ。

何事も目標達成のための目的意識が大事、という事が言いたかったのだけど断じて私はイってない。もちろん佳代子さんがイッたかどうかは知らないけど。私は酒をあれだけ飲むとさすがにイかないのだ。ぴちぴちの20歳前半の頃とかならともかく。

 続く

※二日ほど出張になりましたので明日の更新はムリかな・・。