売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第38話:プルデンシャルへGO~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第38話:プルデンシャルへGO~

f:id:manmai:20170513215745j:plain

プルデンシャルのスカウトの話を受けて、プルデンシャル生命の支社に乗り込む。

確か最初の訪問は火曜の19時頃だったと思うけど、とてつもなく広いフロアの割にはガラーンとしている。ぽつりぽつりと営業マンらしき人は確認できた。

(出勤は月曜と木曜の午前中だけですから)

こう言った田中所長の言葉を思い出しながら小部屋へ通されるとなんだか「いかにも」って人が出てきた。明らかにオーラが違い、威圧的な雰囲気を漂せる間違いなく私の嫌いなタイプだ。

その人はこの支社の支社長で、自分は偉いんだ、忙しいんだ、忙しいのにわざわざ時間を作って私に会ってやってるんだと言い放った。(かちーん、会ってやってるだと?こちとら忙しいんじゃボケ)と思った私。たぶん(今、私はとてつもなく忙しく、偉い人に会ってるんだな、すごいなこの人)と思わせて、私を精神的に丸め込み、上位に立つ戦法だと思うが、全くそんな気がしない。(ああ、この人とは一生ソリが合わないな)と思ってしまったし、全く魅力を感じない。従って全く話が耳に入ってこない。(ナニしゃべってんだこのおっさん)と思うくらいにしか感じなかった。無限連鎖だとか保険はすごいから紹介が止まらないだとか色々しゃべってたが、相変わらず「ナニしゃべってんだこのおっさん」くらいにしか聞こえない。本当に人間の第一印象って大事だ、気を付けよう。さて、そんな感じで約1時間くらい話を聞いたかな。

「どうでしたか?」

終了後、少しして田中所長(私をスカウトした人)が来た。

「はあ、あの人、プレゼンする気あるんすか?」

こっちもイライラしてて、噛みついてやった。

「こっちも忙しい時間に来てるのに」

「・・・そうですか。アナタには向かないかもしれませんね。」

「次回はどうしますか?」

「せっかくだから行きますよ」

「えっ!?」

「え?」

都合、合格するには3~4回程度の訪問が必要になる。途中で辞退する人もたくさんいるし、逆にお断りされる場合もたくさんある。つまりすべてが採用面接なのだ。という観点から見ると私は間違いなく「お断りされる」側だったのだが、プルデンシャル側にも事情がある。つまり「採用ノルマ」があるのだ。

多くの営業マンをスカウトし、採用し、一流に育て上げ、たくさん保険を売ってもらわないと企業に成長はないからだ。そして所長の成績や給料はなるべくたくさん新人をスカウトする事で左右されるし、「社長杯」など、つまりコンベンションの入賞基準にも「何人スカウトしたか」が入賞の指標のひとつとなるのだ。もちろんその新人が「ポンコツ」ならば逆に所長の給料や支社の数字にとっても大きなマイナスとなるから無理やり転職させればいいってワケじゃないのがツラいところ。

「とりあえず最後までやってみよう」って気持ちのみが自分を突き動かした。もとより受かってしまえば辞退する気マンマンである。田中所長もびっくりだ。おそらく小一時間、話をした支社長から田中所長へ「アイツはダメだ」的なフィードバックがあったのだと思う。そりゃそうだと思う。だってあまりにも支社長を(ナニしゃべってんだこのおっさん)ってくらいにしか思わず、まともに話を聞くつもりもなく、本当に悪態な態度を取ってたもの、私ったら。ほほほほ。

 こうやって仕事の合間を縫って少しずつ面接の回数を重ねていく事になる。

 

下ネタなくてごめんなさい

続く