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⑥~面接の心得(2パターン準備)~超大手企業に受かる

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「次は3次面接ですよ~。○○くん、良かったね~」

 「うひゃ~、ダマしてないですよね?w」

この時点ですでに人事部とは仲良しになっていた(笑)なるべく人事や総務の人と接点を持つように心がけます。だって、最終判断がその人たちに委ねられる可能性もあるんですよ。さて、いよいよ集団面接を2回突破し、ついに本番である。この時点でワタシの大学で生き残っているのは私だけとなった。この時点で私は「700分の1」の存在である。ただ、内定しないと意味がない。

 「次は学生さん2人同時で面接だから」(ほほう、俺の相手は誰だ?)なんと前回の集団討論会でことごとく私に噛みついてきたA君だった。まさに水と油。この会社はバリバリの体育会系、超営業職であるのも知られている。会社としてもA君のような「活きのいい新人」は欲しいのだろう。その一方、ここはメーカーである。クライアントの要望、制作現場の要望、工場の要望などとあらゆる人の板挟みに会う事もあるから、まさに「潤滑油」のような人間も欲しいところだ。さすがにこのタイミングになると、冷静に会社を分析し、自己分析も行っていた。(俺に足りないと思われるのは、おそらくイケイケ部分だな)イケイケ具合いが半端ないA君と私を比べると、その点が見劣りするだろう。しかし、正直言って今までは、かなり「自分を押し殺して」面接を繰り返してきた。その気になればその場でパンツだって脱げる私だ。パンツくらい、いつでもどこでもなんぼでも脱いできた私だ。

気合も十分、待ったなし。はっけよい、のこった。(A君め、目にモノ見せてくれるわっ)「じゃあ、志望動機から言って」あきらかに今までの面接とは違う。確かに今まで集団面接だったし、面接官もこわもてのおっさんである。おそらく本部長クラス。いきなり本番が始まった雰囲気となる。

 ここまで残ったA君、さすがである。「バリバリやりたい、トップに立ちたい、俺が会社を変えてみせる」そんな動機を流暢に、かつ、力強くしゃべっていく。妙に納得させる面接のお手本となるような素晴らしい回答だったのを覚えている。

 ならば、私。「世の中の常識を作りたいんです。例えば、熱湯が左で水は右。これって常識ですよね。これって誰が作ったんでしょう?TOTOさんでしょうか。でもこの常識のおかげでバリアフリーにもなっています。盲目の人とかが間違ってヤケドしないワケです。そんな、人に役立つ【常識】を作ってみたい。この会社なら作れる。それが志望動機です。」笑顔で、やんわりと、感情に訴えて行く。そんな話し方を繰り返し、こわもておっさんの質問をクリアしていく。

 A君とは真っ向勝負をする予定だったけど、あまりにA君がペラペラと勢いよく話すものだから、急きょ、作戦変更。あくまで、冷静さを重視。こんな回答パターンと頭の思考も事前に準備していた。相手によって自分のキャラを変える。それくらいの演技力は普段から練習しておいた。

 「ふーん、じゃあ、二人に質問」

 「二人とも営業職希望だけど、営業じゃなくて、経理をやれって言ったらどうする?」

 A君がすかさず返答する。「イヤです!私は御社の看板を背負って、バリバリの営業がしたいです!」一方、私。「はい、その指示に従います。経理や事務にもスペシャリストがいると思います。私は配属された部署でスペシャリストを目指します。特に経理なんて未経験です。必ず私にも役に立つハズです。そのあと、営業職へ行けるチャンスを待ちます。」「・・・でも、やっぱり営業がしたいですけどね(にっこり)」算数もできないワタシが経理なんてできるワケがない。しかしあくまで会社の決定には従順でありつつも営業職希望だと伝えてみたのだ。

(きっちり意見がわかれたな。さあ、どうなるか)

 そんな感じで面接終了。終始、攻め続けたA君に対し、あくまで「会社にとって都合がいい人間」を演じきった私。会社のイケイケ社風から考えて、勝ったのは個人的にはA君かな、とも思ったけど「うちはチームワークを重要視する会社です」と仲良くなっていた人事部の誰かが言ったのを私は聞き逃してなかった。

 後日、電話がなる。

 「おめでとう、次が最後、最終面接だよ」「え?」

「役員面接だよ、がんばって」

 「役員って・・・社長?」

続く

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