売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

俺が辞めてから何年経ってると思ってんだ【プルデンシャル生命】

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今日、またプルデンシャル生命時代のお客様から連絡があった。辞めてからかなり時間が経つというのに未だに色々と電話が掛かってくるし、基地外のように鬼コールされる時もある。その電話の内容のほとんどは未だに「私が辞めた事に対する愚痴」から始まり、今の担当が内容を理解していないとかアンタほど連絡をくれないとか担当を変えてくれとかそんな話ばっかりだ。俺が辞めて何年経ってると思ってんだ。担当を変えろ!だなんて外部の俺に言ったってどうする事もできないって事すらわかんないの?

今の担当が理解してない?私ほど連絡が来ない?う~む、そうですか・・大変申し訳ございません。後任の〇〇は私もよく知ってますから私から連絡入れておきますね。でもね、それも仕方ないのです。だって新しいアナタの担当はアナタの保険をメンテしても1円も入らないのですから。アナタに連絡をするにも携帯代金が掛かるだけ損なのです、だってアナタは紹介もしなければ保険の追加もしないのにグダグダ文句を言うだけでしょう?そんなあなたをタダで面倒見てくれているのです。それだけでもありがたく思わなきゃ。

などと口が裂けても言ってはいけないし、思ってもいけないのだけど、実際はこんな仕組みなのだ。私のようにプルデンシャルを辞めた人間のお客さんを引き継いだ次の担当は、「タダ」でお客さんの契約を引き継がなくてはならないのです。タダ働きばかりが増えて行くのです。私のお客さんを引き継いでもらった後任の担当者には本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。せめて少しでもお金が入る仕組みだったらもう少し心を込めて対応する気にもなるだろうになあ・・・。

私に入る予定だった手数料は私が辞めた事ですべて保険会社の懐に入る事になり、後任の担当者はワケのわからないお客さんから文句ばかり言われる事になる。もちろん、見込み客をゼロから発見するより効率はいいかもしれない。確かにそのお客様はプルデンシャルの保険のよさが十分わかって加入してくれた方々なのだ。うまくやれば紹介も出るかもしれないし、退職金が入ったけどどう運用していいかわからない、相続対策もしたい・・なんて話も舞い込んでくるかもしれない。でも担当が辞めた事で不満タラタラなケースが多くて、私が辞める時も大変苦労した。それだけ信用されてたって事だろうけど、後任がその不満を満足に変えるにはよほどの対応力が必要になる。

まあ、それでも「アンタに保険は似合わないよ!他の仕事が似合うって!」と快く送り出してくれたお客さんも数名いて、未だに連絡を取り合い、お互いの近況や成長具合を報告しあう間柄になれたのはとても嬉しい事で、プルデンシャル生命での時代がなければ出会う事もなかった人たち。

やっぱり友人関係、人間関係ってお金が絡むとロクな事がないね。おかげで私はどんなに営業成績が苦しくても「友人にお願い営業をしない」ようになりました。プルデンシャルを辞めた後の、あるブラックな転職先で飛び込み営業を強要され、苦しくて本当に死にたいと思ったほどヤバい時期もあったけど、それでも友人関連にお願いに行かなかったのはそんな経験のおかげです。

 あ、なんか久々更新したかと思ったらマジメな事書いちゃったかも。たまには面白い事でも書こうかと思ったけど、根がマジメなもんでスミマセン(笑)

おわり

~最終話(52話):つまり、パンツを脱いでみた結果~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~最終話(52話):つまり、パンツを脱いでみた結果~

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今、私は幸せである。プルデンシャルを辞めたあとも少しはマジメに仕事に取り組んだが、何をどこでどうトチ狂ったのか、むしろ自業自得だけど、ヤ〇ザに血みどろのドラえもん状態になるまでヤラれた事があったりもした。

そして今は中小企業ではあるが、まったく経験した事がない部署に配置され、その中で死に物狂いで勉強し、知識を習得して少ない人数ではあるが楽しくて気の合う仲間たちの管理者としてそのチーム員や会社のメンバーを指導する立場にもなれた。プルデンシャル時代の経験もたくさん活きたけど、つまり私は頑張ったのだ。今の立場になるまでは文字通り血のにじむような、血で血を洗うような大変な苦労があったけど、とにかくパンツは一切脱いでいない。マジで。おっさんだらけの職場だしね。

その結果、妻の要望であった「少なくても安定した給料」を毎月会社から頂き、その年収も少しずつ上がって行っている。良くも悪くも「治まった人生」かもしれないが、会社の重要ポジションにて思い切り仕事をさせてもらっている。もちろん今は残業など一切ナシだ。まるで自慢話に聞こえるかもしれないけどぶっちゃけ自慢してます。過去の私の人生から考えてみると心身ともにとても安定しているのだ。これを自慢と言わずになんと言おう、スミマセン。わははは。

バカな私が身の丈に合わない大企業に奇跡的に就職できてしまい、そこでパンツを3回脱いだ結果、妙に目立ってしまってプルデンシャル生命へ入社。おかげさまで豊富(特殊?)な知識と経験を習得して贅沢な生活も堪能できたが、案の定というか、そりゃアホやろ、と思うような失敗を繰り返して一攫千金など夢のまた夢、贅沢な毎日もそれも長くは続かず、妻とは別居状態となり、プルデンシャル生命を退職。その後においても紆余曲折、現状打破、気合一発、一蓮托生で現在に至る。

パンツを3回も脱がなかったらどうなっていたのだろう。きっとノリピーとも結婚してないし、今の状況にもなっていないと思う。結果、3回も脱げば幸せになれるのかもしれないという結論になるがあまりおススメできない。パンツは麻薬だからだ。

 これからプルデンシャル生命やその他外資系だったりいろんな業界にチャレンジしようとする方々の足かせになる可能性があるこのブログはそんな方達にとって1秒も読まない方がいいのかもしれません。ただ、自分はデキるオトコだと思っても上には上がいるという現実。自分を勘違いするととんでもない事になるという事実と、仕事の為に脱ぐパンツは最高でも1~2回くらいにとどめておいた方がいいのかもしれません。

冷静に自分を分析すればわかります。今の会社で誰からの追随を許さないほど「ズバ抜けて」トップの位置にいるのなら、そして数々の誘惑に負けずに自分を律する「自律」できる自信があるのならば保険業界へチャレンジしてもいいかもしれません。そして人脈が一生続く仕組みがあるのなら。それでも成功するかどうかはわからないけどね。

でもね、プルデンシャル生命はとてもいい会社だと思っています。それぞれの業界で目立ってきた人たちの集団だから個性はとても強いけど、それに負けないくらいマナーもいいし、みんな思いやりもすごくある。そして世界最高峰って言われるほどの営業集団の中で過ごせた私の数年の経験は一生モノだと思います。

 ちなみに私をプルデンシャルへ紹介した人は実は通算で3人いました。ライバル会社の営業マンが二人と、新規事業立ち上げの際に関連した誰もが知っている某巨大広告代理店の営業マンが1人、合計3人でした。ライバル会社の営業マン2人に於いてはそれらの会社の案件をパンツを脱ぎつつ、ことごとく奪って行ったんだもの、そりゃスゴイと思われたかもしれないし、代理店の営業マンとしても「珍しいヤツがいるな」と思って思わず私を推薦したのだろう。

最後になるけど、私のブログについて意見をいただいたshinjin85さんの記事を勝手に公開させていただきます。

私の記事は1秒も読む価値もありませんが、この記事には保険に勧誘される側の心情が顧客目線の目でしっかりと言及されていて、営業に行き詰った方々は一度読んでおくべきだと思う。shinjin85さんのお友達とは言え、厳しい事を書かせていただくとこの営業マンは「逃げている」事に他ならない。少しでも身に覚えがある方は今一度見直してみてもいいかもしれません。

(と辞めたヤツが偉そうに言ってますがそれくらい大変ってこと)

www.shinjin85.net

 さて、「パンツを脱ぎなさい」シリーズもこれにて終了。

他にもネタはまだまだあるけどw身バレが怖いのでいったん終わりといたします。

2ヶ月近くも続けるとは夢にも思わなかったな。たくさんの★をいただけた皆さま、ありがとうございました。おもしろかったですか?それなら嬉しい限りです。そしてお気を確かに♪

そして最後の最後に、私が勝手にリスペクトしている方のブログを紹介します。私はこの人の書き方に影響されてしまったw文才がある方って本当にうらやましく思います。

delete-all.hatenablog.com

 

さっき書いたヤ〇ザにやられた話。けっこう人気w痛かったのにw

www.pamda.xyz

 パンツの件、最初から読む価値は一切ありませんが、お暇ならどうぞ。www.pamda.xyz

ちょっと休憩に入りまーす。

今夜もネオン街が待っているのだwwうしし。

おしまい

~第51話:溶けるプルデンシャル~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第51話:溶けるプルデンシャル~

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給料が減って行く。

もちろん妻であるノリピーには言えない。今まで通り、1週間に1度だけちょっと贅沢をしつつ生活していたが、だんだんとノリピーも本性が現れる。そう、忘れちゃいけない、こいつもパチンカス出身だ。

「軍資金いくらある?」

「ん、とりあえず10万でいいか?」

ひとり5万ずつで勝負開始だ。本当に昔のスロットって凄かった。5万なんてあっという間になくなっちゃう。まるで溶けるように。

「無くなった~」

「ちょっと待っとけ」

銀行に走る。もちろんキャッシングだ。そう、すでに借金を繰り返すようになっていたがノリピーの手前、お金があるように見せないといけない。

「ハイ、6万」

「ありがとう、今度こそは当たるよ♡」

ノリピーを安心させる為にも余裕のフリをしてお金を渡すが私の財政は火の車どころか破たんしていた。しかしまだ「何とかなる」と思っていた私はキャッシングを繰り返し、ノリピーとの生活水準を落とさなかった。プルデンシャルでの仕事も調子が良い時と悪い時の差が激しく、大きな波のような給料で月によってバラつきが激しかったが、ノリピーも働いていたのでそんな状況がバレずに生活していった。

しかしある日、ついにノリピーが妊娠した。つわりもあって、ノリピーは仕事を辞め私の給料のみでの生活が始まった。より一層仕事を頑張らないといけない。私は父親になるのだ。この妻のお腹の中の赤ちゃんが産まれるという事は、この子に対しても一生稼ぎ続けないといけないという責任も一緒に産まれてくるのだ。とにかく紹介をもらうべく、ご縁や契約をもらったお客さん1人1人にアプローチするが、そんな事なんざとっくの昔に終わっているのだけど、話すネタがない私には妻の妊娠すら電話するキッカケとなる。

「おお、おめでとうございます!」

「ありがとうございます^^」

「何かお祝い、送りますね~」

違うのだ、お祝いなんざいらない。今、そしてこれからも欲しいのは「紹介」、つまり見込み客だけだ。そんな思考回路に陥るとすでに赤信号だ。人様の行為を素直に受け入れる事ができないほど追い込まれ始めていた。

給料が減って行く、それでも同世代の人間と比べても人並以上にもらっていたが、手取りとして入ってくるお金の半分程度はランニングコストに消えていく。一度味わった生活水準を落とすのは至難の業だし、何より妻であるノリピーにこの状況はバレたくない。

借金を繰り返し、ついに限界の時が来た。私個人では到底無理と思える金額まで到達していたのだけど、それでもまだ生活水準を落とす気持ちになれない。しかし異変に気付いたのはやはりノリピーだった。

「大丈夫なの?」

私の目減りしていく給料に気付いたのだろう。何より精神的に参っていた。

 「ごめんなさい、今月の生活費は通常通りの金額が渡せません」

「来月は大丈夫だから」

と弁解したが、まだ借金の事は黙っていた。

いい月と悪い月があからさまに交互に続くようになり、いつしか悪い月が連続するようになっていった。嬉しいハズの給料日が怖くなり、家に帰る事すら怖くなった。家に帰る時もノリピーを避けるように深夜に帰り、早朝に出て行く毎日を続けるようになると夫婦の関係もギクシャクし始め、ノリピーとの別居生活が始まった。妊娠しているという事もあったが、事実上、実家に帰ってしまったのだ。ノリピーと会うのは給料日だけ。その間も連絡は一切ナシ。完全に夫婦としてはオワコンな関係になってしまった。しかしロクな金額を渡せない月が増えて行ったのだからそれも仕方ないのかもしれない。

さすがに限界を迎えつつあったある日、不意打ちで待ち構えるようにして帰って来てたノリピーに言われた。

「もう辞めたら?あんたに保険屋は向かないよ」

(終わった・・・)

反論する余地もない。この仕事で家族を養えない以上、この仕事に向いていない事に変わりはないし、一番の理解者であるべき妻に引導を渡された瞬間、頭が真っ白になり、色々な思いでカラダが動かなくなった。ベッドに横たわると3日ほど起き上がれなくなった。今まで私を信じて保険料を預けてくれたお客さんへ辞める事を伝える必要があるし、借金を返すアテもなくなった。子供はあと数か月もしたら産まれてくるし、その責任と借金の言い訳が頭をぐるぐる巡っても答えは出ず、ぐるぐる巡っても答えは出ず。出た答えは「夢が途絶えた」という事だけ。色々なものが溶けて行くのだ。プルデンシャルでの華々しい思い出も、苦しくても楽しかった日々も、時間に余裕がある夢のような仕事内容も、そして将来、お金持ちになりたかった夢も。

貧乏育ちの私はお金持ちになりたかった。この業界ならその可能性がある。とくに外資系のフルコミッションとなれば一番の近道なのかもしれないが、所詮、パンツだけでのし上がってきたオトコには無理な世界だった。

「辞めます」

決心がついた私はそう妻に伝え、私を採用してくれたマネージャー、大変私を可愛がってくれた先輩方にも伝えたが、誰一人として引き止める人間はいなかった。決して冷たいワケではない、引き止める「責任」がないからだ。たとえ引き止めてもただの延命措置に他ならなず、さっさと次の仕事を見つけた方が幸せになる確率が高いのだ。第一、この会社は全員が「個人事業主」であるから人の心配をするより自分の心配の方が先である。アタリマエだ。

こうして辞める直前ですら年間を通して見ると、そこそこの数字をキープしていた私だけど間違いなく下降気流に乗ってしまったと妻に判断された時が全て告白のタイミングだった。これまで数々の女性とともに作って来た借金告白チャンスだ。

「話があります」

借金がある旨とその金額を伝えると顔面蒼白になった妻と再び改めて別居生活が始まってしまった。まさに離婚前提だ。そりゃそうだ、いくらお腹の中の子供の父親とは言え、借金まみれの男と一緒に居て幸せになれるハズがない。

「今度こそ変わろう」

そう決心してプルデンシャルを退職し、早急に再就職をした。

これも色々あったのだけど、時間がある時にでも書きます。負け犬のブログなど読む価値など1秒もありませんが。

続く

あとがき:次回こそパンツ話の最終回と思いますが、こんなブログは読む価値など1秒もありませんのであしからず^^

~第50話:無限連鎖~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第50話:無限連鎖~

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数字の為ならパンツすら脱ぐ。相手が巨乳だろうが熟女だろうが、昔の酷い仕打ちをしてしまったオンナだろうが関係ない。プルデンシャルでは月曜に一週間の成績発表があって、私は何度も週間トップを取った事がある。所属するプルデンシャルでの支社での話だけど60人近くいた支社でトップを取るのは大変気持ちよく、モチベーションアップにもつながっていた。全国的に上位にも何度も入ったものだ。

そんな順調かと思えたプルデンシャル人生にジワリと影が忍び寄る。連続挙績が切れたとは言え、その後もさすがに頑張ったつもりではあったのだけど、段々とタコ(挙績ゼロの週)が目立ち始める。

1ヶ月4週のうち、タコが1週とかならまだマシな方で立て直しも効くのだけど、段々と1ヶ月に2タコ、3タコ、最後には4タコ、つまり1ヶ月ゼロ挙績だ。それはつまり1ヶ月の間、仕事をしていない事になる。

つまり訪問する先が次第に無くなって行った。これはプルデンシャルに於いては「言い訳」にしかならない。紹介入手をプルデンシャルの教えの通りしっかりやっていれば無限に見込み客は連鎖するように続くハズなのである。続くハズなのだが・・・。これを紹介の「無限連鎖」という。この無限連鎖という単語は特にプルデンシャルに限って言う単語ではない。ビジネスにおいてはこの無限連鎖をいかに成し遂げるかで成功かどうか決まる。

「無限連鎖」ついてはまたいつか書こうかと思うけど、私はほとんど連鎖しなかった。ここを極めないとプルデンシャルではオシマイなのだ。つまり訪問するところがなければ、月曜と木曜の午前中だけ出社して、あとはすべて「休日」である。ナニをしてもいい、つまり毎日がお休みだ.、ひゃっほーい♪とさすがに私も遊んではダメだと自制心が働いたし、行く必要が無くても会社に行けばすごい成績の先輩営業マンやマネージャーはけっこう出社しているので話をするだけでも刺激があるから朝9時には会社に出社していたが、2時間ほど経過した昼の11時近くになるともう限界だ。

「行って来ます!」

「行ってらっしゃい!」

先輩やマネージャーから激励の「行ってらっしゃい!」を受けると会社から車を走らせ、早速、一目散に行きつけのパチンコ屋に突撃だ。

(あの台は出てるかな?)

メモ帳代わりのスマホにはこと細かくパチンコ台のデータが記されてある。昨日も閉店間近に立ち寄り、狙い台のチェックを怠らず、今日の勝負台を決めている。そんな毎日が続きだした。朝から行く必要はないのだ。ある程度他人に打ってもらったデータを参考にしながら勝負をするのだ。そうこうしていると同期や先輩、後輩の人間もチラホラ集まってくる。

「うーす」

「おつかれーっす」

「どこがいい?」

「あの台がいいっすよ」

みんな私のデータをけっこう頼りにしてくれてて、常連の仲間達はだいたいお昼前後からこのパチンコ屋に出勤だ。

居心地がよかった。妙な連帯感が生まれるのだ。みんな昼からスロットを打っている。つまりみんな仕事をしていないのだ。安心感、やすらぎ、そして「仕事が無ければ何をしてもいい」という事を身をもって体現しているのだ。そう、何人も。

 「あれ?今日、〇〇先輩は?」

「ああ、なんかアポ入ったってよ」

「おお~頑張りますね~」

「俺たちも(スロット)頑張らないと、な!」

こうなるともう終わりである。今考えたら本当にバカだった。もちろんこんなアホな事をしたのは1年のうちの3か月ほどで、さすがに罪悪感を感じた私達はパチンコ通いを辞め、通った全員とも真剣に話をして、このパチンコクラブのメンバーでハワイ(社長杯)に行こうと固く団結した。日々連絡を取り合い、お互いを励まし合いながらその後はかなりの数字を挙げた。しかし手遅れだった。一度ついたサボり癖はよほどの事がない限り無くなる事はなく、1年のうち、約3か月近くもサボった行くあてのない人間たちが社長杯に入賞できるほど甘い世界ではない。いつの間にか、ぽつり、ぽつり、とパチンコクラブのメンバーが業績の上で脱落し始めた。再びパチンコ屋に集結し始めたのである。他のメンバーたちは稼いではパチ屋へ上納し、稼いでは上納する。稼いでなくてもパチ屋へ上納するのだが、勝ったら勝ったで夜はキャバクラで課外授業だ。正直言うと、とてもおもしろい仲間と共有した超楽しい時間ではあったが、このままじゃいけない。

私はなんとかその最悪の状況は抜け出し、年収も決して褒められた数字ではないが、なんとか多少の贅沢が可能なギリギリラインを維持した。でも、訪問先がない時は本当に不安なのだ。不安で当たり前なのだが、だんだんと耐えれないレベルにまでなってしまう。その不安を忘れさせてくれるのは私にとって一つだけ。

あの仲間がいないかどうか偵察に行くのだ。パチンコ屋に。パチンコクラブのメンバーを見つけると本当に安心し、コーヒーを差し入れしつつ、ちょっと打つ、もちろん閉店まで。傷を舐め合いながら。

パチンカスは「無限連鎖」するのだ。

続く