売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

④高校行事に全力投球して舞い降りた幸運

運だらけの人生を振り返るその④

「あいつにやらせるか」

体育教官の先生方に呼ばれる。

「お前、体育祭、やらないか」

 3年生となり、初夏を迎える。いわゆる受験モード突入時期。体育教官室に呼ばれる。 どこの高校でもあるし、今時、ユーチューブ見てたらすごい応援団とかあるし、今となっては珍しくともなんともないこの高校の一大行事に「体育祭」がある。

 全校生徒を縦割りに4ブロック。赤・青・黄・白に分けて戦うイベント(祭り)である。楽天家の私もさすがに彼女の受験の気苦労を見ていただけに一瞬躊躇。夏休みは返上だし、受験勉強で練習に来てくれない同級生(3年生)、なかなかまとまらない団体行動。1個上の彼女も去年、頑張っていたので私も3年生に混じりながら、2年生ながら携わっていた。勉強より楽しいしね(笑)

 「まあ・・・いいっすよ」(内心、私がするだろうと思ってたのも事実)

 という事で私はある色のブロック長候補となってしまった。しかしお受験に向けての大変な時期であることは事実。ブロック長候補となった4名の男性の両親が学校に呼ばれる事となった。

 「体育教官VS各候補の親」という図式の中、体育教官の両親の説得が始まる。「うちは無理です。」「どうしてうちの息子なんですか」「浪人したらどうするんですか」 かなりの意見交換が行われたらしい。byオヤジ談。終始、沈黙してたけど、オヤジがガマンできずに言ったそうだ。「そんなブロックのリーダーに選ばれるなんて光栄な事だ。受験に失敗してもいいし、浪人させてもいい。ただ、息子の青春は一生帰って来ない。そんな貴重な経験、こちらから頭を下げてでもやらせてもらいたい」じんわりと、でも力強く、そして他の3人の親を諭すように語ったらしいby体育教官談。ここも私が大学に受かった重要な一因である。つまり親子で体育教官側に付いたのだ(笑)(内申にひびくのです)

 かくして、その4名がブロック長となり、ひと夏の時間、戦う事となった。

 まあ、大変でしたね。とにかく集団をまとめるには、まず自分が動く。自分が楽しむ。同じ目的意識を持った仲間を少しずつ増やし、仲間が私の変わりに指導し組織を作る。少しずつ、でも確実に全員の気持ちをお祭り気分にさせて行き、一気に作り上げる。共通の歌とかも作ったっけ。まあとにかく思春期の青年たちをまとめるのは本当に難しかったけど流れが出来れば一気に山が動き出す事も体感しました。優勝は逃したけどそんな事はどーでもいいのです^^

 そんなこんなで体育教官のお墨付きをもらい、季節は秋。お受験モードです。私はバカ、同級生は遥か先を行っている・・・。学業にわき目もふらず、学校行事にいそしんでしまった私についに、ここである幸運が舞い降ります。

 「大学へ推薦してやる」

 あれだけ入学当初、私をいじめ抜いた体育教官の先生方から話があった。推薦と言っても試験はあります。結構な狭き門ではありましたが、確か英語と古文?と面接だけだった記憶がある。とても5教科とか勉強は無理なバカの私は私立大だったけど、そもそもとても私が受かるような大学ではない。そして一浪するより遥かに安いとその挑戦権を獲得してしまったのであった。

 続く